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獣神サンダー・ライガー28年目の決断。
引退覚悟! スーパーJr.との別れ。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2017/05/31 11:00
負け続ける獣神サンダー・ライガー。その小さな身体にヘビー級をも越える破壊力を宿した“怒りの獣神”として、再び降臨できるか……。
ライガーは団体の垣根を超え、プロレス界に貢献した。
ライガーの強さはIWGPジュニアヘビー級王座の戴冠回数に表れている。「11回」という数字は、オールタイム・チャンピオンに等しいものだ。
封印されてもう見ることはできないが、“シューティング・スター・プレス”という大技は山田とライガーのものだ。
ライガーは、ジュニアヘビー級という体の小さい、プロレスでは軽量級の世界で、そのステータスの向上、さらには団体間の垣根を取り払うことに多大に貢献してきた。
名称は変わったが、現在に引き継がれた「トップ・オブ・ザ・スーパージュニア」「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」の開催は画期的だった。
さらに1994年4月の両国国技館で行われた「スーパーJカップ」は強烈なインパクトをファンに与えた。
「日本発のスーパージュニア」は世界のトレンドである!
そして、各団体からその大会に出場していったレスラーたちも、それぞれにライガーから刺激を受けた。
ハヤブサ、ネグロ・カサス、リッキー・フジ、茂木正淑、エル・サムライ、TAKAみちのく、ブラックタイガー、大谷晋二郎、スペル・デルフィン、ディーン・マレンコ、外道、ザ・グレート・サスケ、ワイルド・ペガサス、そしてライガー。
このメンバーでのワンナイト・トーナメントはあまりにも魅力的だった。
これらを見て、レスラーを志した海外の選手も多い。彼らにとっても、ライガーはレジェンドだった。
今やルチャ・リブレではない日本発のスーパージュニアは世界のトレンドになっている。