スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
美女アン・シネ効果だけではない!
女子ゴルフブームはなぜ続くのか。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2017/05/13 09:00
華やかなファッションでコースを回るアン・シネ。今回のブームは彼女に日本ツアーに参戦したいと思わせた環境があったからこそだ。
スポンサーが続々名乗りを上げ、うれしい悲鳴も。
その結果として、スポンサーに名乗りを上げる企業が引きも切らない。2017年はLPGAツアーでは年間38戦が組まれているが、消化し切れていない状況なのだ。
「『ぜひとも、大会の冠スポンサーに』と申し出ていただいている企業の方には、申し訳ないことですが、お待ちいただいている状態です」
また、LPGAツアーの出場資格を持たない選手にプレーする場を与え、新人の育成を目的とした「LPGAステップ・アップ・ツアー」は、昨年に比べ3試合増えて計21試合の開催となり、周縁にも波及効果が及んでいる。
強固な地盤が出来ていたわけだが、選手の華やかさ、キャラクターもまたLPGAツアーの魅力だ。
宮里藍、イ・ボミら強烈な個性を持ったスター揃い。
女子プロゴルフの注目度を上げるきっかけを作り、いまもクールで落ちついた雰囲気を漂わせる宮里藍(31歳)、2011年から日本ツアーに参加し、メジャー2勝を含む20勝、2015、2016年と2年連続で賞金女王に輝いたイ・ボミ(韓国・28歳)など、まさにスター揃いだ。
そこに、アン・シネが飛び込んできた。昨年11~12月、日本のツアー資格を得るために「ファイナルQT」に参加した時から多くの報道陣が集まり、アン・シネ自身、「私に対する関心がすごくて、どちらかといえば文化的な衝撃に近いものがありました」と驚いていた。
メディアの扱いを見ると、もはやゴルファーというよりも、タレントとしての扱いに近いが、日本のツアーが活性化しているからこそ、強烈な個性を持った選手を呼び寄せたということも出来る。
さらに、小林会長が楽しみにしているのは、新しい世代の参入だ。
「今年、高校を卒業した世代、彼女たちがもっともっと元気を与えてくれると思いますよ」