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ホンダ大不振払拭のきっかけに?
パワーユニット複数供給と政治力。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2017/05/10 08:00
ホンダの供給2チーム目となるザウバー(後方)。1993年参戦の古参チームだが、今季はマクラーレンとともに下位集団に沈む。
「多くの批判があることはわかっています。でも……」
「われわれに対して、多くの批判があることはわかっています。でも、ホンダの中に楽観的にやっている人間はひとりもいない。それだけははっきり言えます。ただ、知見が足りないとか、経験が足りないとか、F1で何十年も飯を食っている人たちと(F1に7年ぶりに復帰したホンダが)違うことは間違いない。エンジン開発というのは、どうしても時間がかかる。今日、明日でなんとかしろと言われて、どうなるものではない。将来を考えて、計画を守ることが大切なこともあります」
ザウバーのカルテンボーン代表は、なぜいま、これほど厳しい状況に立たされているホンダのPUを2018年から搭載することを決定したのかについて、次のように回答した。
「私たちが2014年に搭載していたフェラーリも競争力という点で当時、同じような状況にありました。でも、彼らはその後、挽回してきました。私たちはホンダも現在、抱えている問題を改善できると確信しています。まだ時間は十分あります」
ホンダを必要としている人がいる。それこそが、今回の2チーム目への供給の最大のメリットではないだろうか。