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スーパールーキーとはまだ呼ばない。
星野陸也が青木、尾崎組で見たもの。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2017/05/04 08:00

スーパールーキーとはまだ呼ばない。星野陸也が青木、尾崎組で見たもの。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

松山英樹がマスターズでローアマに輝いたのは19歳の時。20歳の星野陸也がスーパールーキーと呼ばれるためには、まず1勝を手にすることだ。

中嶋常幸「あの2人は別世界だと思ってやればいい」

 中日クラウンズを欠場した中嶋は、実は開幕2日前に会場を訪れていた。午後に練習場で打ち込む星野を見つめると、AOとの同組ラウンドについて、こう助言した。

「あの2人は別世界だと思ってやればいい。一緒の世界に巻き込まれたらアウトだ。ちょっかいを出してくるから、巻き込まれるなよ」

 そして最後に笑いを消して、忠告をもうひとつ。

「グリーン上だけは遠慮せず、プロとしてのプレーに徹すること。それが先輩に対する礼儀。とにかく自分の道を行けばいい」

 中嶋の送ったアドバイスがどれほど星野に響いたか。少なくともスタート時点で、20歳はその言葉を忘れていたかもしれない。

 大観衆に囲まれた1番ティグラウンド。オナーの青木が打つ前、場内に選手紹介のアナウンスが響くと、星野は思わずギャラリーと一緒になって拍手を送っていた。次にドライバーショットをかっ飛ばしたかと思えば、尾崎の紹介でまた拍手……。同伴競技者を気持ちよく送り出すという、珍しい光景だった。

 後から心境を聞けば、「ええ!? 僕、そんなことしてました!?」と星野。完全に空気に飲み込まれていた。

レジェンド2人を引っ張りながら、予選を通過。

 ただし、この緊張感に浸されながらも20歳は瑞々しくプレーした。パットがちっとも入らず“ガッカリ”を続けたのも、ショットで多くのチャンスを作ったから。一番の武器は300ヤード超の飛距離。持ち球は低弾道のドローボールで、フェアウェイを叩くとランもよく出る。いわゆる「飛んで曲がらない」ショットというよりは、「曲がらないから飛ぶ」という持ち味を印象づけた。

 2日間で青木22オーバー、尾崎21オーバーという同伴競技者を引っ張りながら、2オーバーで予選を通過。36ホール目で決勝進出を決定づけるバーディを奪うと、レジェンドに大輪のような笑顔で迎えられた。

【次ページ】 天然、現代っ子の一面も見せる一方で……。

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