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スーパールーキーとはまだ呼ばない。
星野陸也が青木、尾崎組で見たもの。

posted2017/05/04 08:00

 
スーパールーキーとはまだ呼ばない。星野陸也が青木、尾崎組で見たもの。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

松山英樹がマスターズでローアマに輝いたのは19歳の時。20歳の星野陸也がスーパールーキーと呼ばれるためには、まず1勝を手にすることだ。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Yoichi Katsuragawa

 青木功と尾崎将司。レジェンドのふたりを、わずかでも見下ろす長身の彼をご存じだろうか。

 表情にあどけなさの残る星野陸也は、今年の日本ツアーをにわかに騒がせている若手のホープ。昨年8月にプロ転向し、実質プロ1年目のシーズンを送っている、弱冠20歳である。

 彼にしてみれば、幸運に満ちた3ショットとしか言いようがない。

 4月末の中日クラウンズは今年、74歳の青木と70歳の尾崎が揃って参戦。実はここに加わるはずの選手がもう1人いた。もちろん“AO”と並びたつ“N”、中嶋常幸だった。

 62歳の中嶋も、大会の直前まで調整を続けていた。しかし背中痛が癒えず無念の欠場。水面下で進められていた、5年ぶりのAON同組ラウンドのプランは泡と消えた。

 周囲の期待の表れとはいえ、中嶋の“代役”を務めることになったのだから、ルーキーが身に余る光栄と受け取るのも当然である。

“石川遼の弟分”というよりも……。

 昨夏、日大を中退してプロの世界に飛び込んだ。ジュニア時代から知る石川遼所属のマネジメント会社のサポートを受けていることも、注目される要因になった。とはいえその先輩は米国にいて、日本では石川の妹で同い年の葉子さん、弟の航さんと交流する時間の方が多い。“遼の弟分”の認識は間違いではないが、“2人の兄貴分”という表現の方がしっくりくる。

 逸材が世に出るときには、そういった何かしらの縁も、スター性を担保するエッセンスになる。ただ星野は、このわずかな期間に着実に実績を重ねてもいる。

 昨年プロ転向後に出場したツアー4試合のうち、2試合で予選を通過。並行して進めていた2017年シーズンの出場権を争う予選会をトップで通過した。約1500人の受験者から197人に絞り込んで行われた12月の最終予選会は、6日間で2位に7打差を付けて勝った。通算31アンダーは予選会史上最少ストロークになった。

 そしてこの春、下部ツアーで初勝利を飾ると、レギュラーツアーで開幕から中日クラウンズまでの5試合を終え、賞金ランク27位。5戦すべでて予選を通過したのは全選手中5人だけである。

【次ページ】 中嶋常幸「あの2人は別世界だと思ってやればいい」

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