野球のぼせもんBACK NUMBER
熊本支援と外国人投手初の名球会を。
SBサファテ、日本と九州への恩返し。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2017/04/19 11:00
ヒーローインタビューでは内川らとともに和気あいあいとした表情を見せるサファテ。加入4年目、チームにも完全に溶け込んでいる。
「日本にも神様が連れてきてくれたのだと思う」
外国人選手はチャリティー活動に対してもともと熱心ではあるが、サファテの姿勢には常に頭が下がる思いである。
東日本大震災の復興支援のために自身の成績に連動して1セーブにつき10万円を寄付する活動を行っている。今年で3年目。'15年は41セーブ、'16年は43セーブをマークしたので、過去2年ですでに840万円を東北に届けている。
熊本地震後は球団が行う支援活動とは別にサファテ個人として動いた。ヤフオクドームに被災地児童を招待した。さらにほとんど報道されなかったが、8月の試合のなかった一日には熊本へ出向いて野球教室を行っている。
サファテは言う。
日本に恩返しをしたいのだ、と。
「僕は神様に導いてもらい、いろいろなことが出来ている。日本にも神様が連れてきてくれたのだと思っています。数年前、メジャーに戻れる機会もありましたが、自分は日本も福岡も好きだし、チームメイトもこのチームも好きだから残ることに決めました。日本の野球も自分には合っていると思うし、野球人生を終えるときはホークスで、と思っています。そして、神様は困っている人がいれば助けなさいと言っています。自分が野球選手だからということではなく、一人の人間として困っている人を助けないといけないと思っています」
クルーンを超えて外国人投手の通算セーブ単独首位。
今年4月2日、プレーヤーとして目標にしていた記録をついに成し遂げた。
通算178セーブ目をマークして、従来はクルーン(元横浜、巨人)が保持していた外国人投手の通算セーブ記録を塗り替えて単独トップに躍り出たのだ。
「クルーン投手の投球を実際に見たことはないし一緒にプレーをしたわけではないが、素晴らしい投手ということは知っているので、その数字を超えたことはとても光栄です」