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モウリーニョがファンハール化?
マンUの現実路線はプレミアよりEL。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2017/04/09 07:00

モウリーニョがファンハール化?マンUの現実路線はプレミアよりEL。<Number Web> photograph by Getty Images

その一挙手一投足が注目されるモウリーニョ。そのカリスマ性はいまだに指揮官として最高峰である。

実はファンハール就任1年目よりも勝ち点が少ない。

 つい先日も、「私は哲学を強調して結果を覆い隠すタイプではない」という趣旨のコメントを出しているが、これはマンチェスター・シティのペップ・グアルディオラを筆頭に、内容にこだわるプレミアの現役監督勢、そして会見で「哲学」という言葉をたびたび口にしていたファンハールへの当て擦りと受け取れる。

 しかしながら、モウリーニョ監督がこだわりを見せる結果でも、前監督と数字が似通っているのも事実だ。29試合消化時点での順位は昨季と同じ6位。勝ち点54は、ファンハール就任1年目の同時期を2ポイント下回っている。

 4月1日のウェストブロムウィッチ戦では8割近くボールを支配しながら枠内シュートが3本にとどまり、スコアレスドローに終わった。この体たらくについて『メール・オン・サンデー』紙は「ジョゼ・ファンハール!」との見出しで報じた。無得点に終わった試合は後半戦だけで2度目。リーグ戦得点数「43」は、トップ6で最少の数字だ。

シュート本数では明らかに昨シーズンより向上した。

 ただ「守備的なチームを思わせる数字かもしれないが、実際は違う」と話しているモウリーニョの名誉のために言っておけば、今季の戦いぶり自体は前任者の頃とは確かに違っている。

 リーグ戦29試合で放ったシュートの総本数は499本。最多のトッテナムと1本差でしかない。同じトッテナムに200本以上の差をつけられた昨季に比べれば、シュートへの意識の差は雲泥の差だ。この違いはクラブOBのリオ・ファーディナンドも「試合内容が向上してはいる」と結果にやや不満を持ちながらも認めている。

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