フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦がフリーで見せた王者の気迫。
宇野2位で初メダルとなった世界選手権。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/04/03 17:00
フリーの演技が終わった瞬間……羽生が片手を天へ向けた。ライバルたちも納得せざるをえない、まるで優勝が決まったような瞬間だった。
大台の300点超えも、メダルを逃したフェルナンデス。
3位は4ルッツ、4サルコウ、2度の4トウループを成功させ、SPに続いてフリーでもノーミスで滑り切ったボーヤン・ジン。
フリー204.94で200点超えを果たし、総合303.58と初の300点超えを果たして4位から順位を1つ上げた。
SPトップだったフェルナンデスは、サルコウの転倒などのミスがあり、フリー6位。総合では301.19と300点超えを果たしたものの、総合4位に終わった。300点を超えても表彰台を逃す域に行ってしまった信じられない現実である。
「フィギュアスケートは厳しいスポーツ。こういうこともある。来季に向けて、かえってプレッシャーが少なくなったかも」とフェルナンデス。
パトリック・チャンは3度の4回転ジャンプに挑んだが、着氷の乱れなどで総合5位に終わった。ネイサン・チェンはフリーで6度の4回転に挑んだものの、2度の転倒などがあり、総合6位だった。
本大会の男子の戦いは、史上かつてないレベルの素晴らしいものだった。その中で勝ち残ったベストの中のベストな選手たち。
隣り合わせに2枚並んだ日の丸を見て、誇らしい思いに包まれた。