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イチローは今回のWBCをどう見たか?
真の世界一決定戦に絶対必要な条件。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2017/03/28 17:00
マーリンズがキャンプを行なうフロリダ州ジュピターにて。開幕に向けて、準備は上々である。
20年後、30年後なのかはわからないけど……。
話は少し外れてしまったが、今回繰り広げられた真剣勝負がイチローには嬉しかった。
「(大会が)徐々に前に進んでいる感じはありますね。アメリカの選手だって(WBCが)いいスプリングトレーニングだったなんて言う人はもういないでしょ。
20年後なのか30年後なのかわからないですけど、本当にこの大会に出たいと言う奴が集まって本当に純粋に(世界一を)決める大会に将来的にはなって欲しい。それはずっと思っていることだけど、プロのベストのチームが集まって、そうなって欲しい。
その可能性を感じられた。客観的に見ていてね」
WBCは「真の世界一決定戦」になり得る!
WBCは真の世界一決定戦になり得る――。
その将来性に大きく期待を寄せたイチローだったが、それだけでは終わらないのが彼らしいところ。課題を見据え、提言することも忘れなかった。
「結局、主催している側にその思いがなかったら、単なるビジネスとしてしか捉えていなかったら……達成できない可能性がグッと上がってしまう。MLBはビジネスが上手いですから。
そういうことを度外視して、本当に世界1位の国を決める大会になり得るものだということを認識して欲しいですよね」
今大会終了後、WBCの主催者は大会史上初めて100万人を上回る108万6720人の観客を集め、関連商品の売り上げも前大会よりも50%伸びたことを発表した。
ワールドシリーズがMLB最高峰の戦いならば、WBCは国別世界一決定戦。
ともに主催はMLB。
イチロー同様に期待を寄せたい。