沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
高松宮記念とドバイでの3GI。
佐々木主浩の眼も運も世界クラスだ!
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2017/03/27 11:40
デビューは1800mだったが、スプリント路線で開花したセイウンコウセイ。群雄割拠の短距離に新星が現れた。
主戦だった松田騎手が道交法違反で検挙され……。
道悪を苦にしないからこそ、自信を持って立ち回り、結果的に馬場のいいところを好きなように選ぶことができたような印象だ。
時計のかかる馬場ながら、前半3ハロン33秒8というのは、2012年にコースが改修されてから2番目に速いペースだった。それを楽に追いかけ、逃げ・先行馬が総崩れになるなか自分だけ伸びたのだから、得意の舞台設定になったことを差し引いても、強い。
昨年3月に未勝利を脱出してからわずか1年で頂点に駆け上がった。芝1200mでは4戦3勝2着1回とパーフェクト。「最強世代」の呼び声のある4歳世代に、スプリント界の新星が誕生した。
この馬には、前走まで3戦連続で松田大作が騎乗し、渡月橋ステークス1着、淀短距離ステークス1着、シルクロードステークス2着と好成績をおさめてきた。松田は今年2月、道路交通法違反容疑(無免許運転及び速度超過)で京都府警察に検挙されたため、騎乗停止中になっている。今後どのような裁定が下るかわからないが、もし復帰が叶うなら、またこの馬の背で輝いてくれることを、ひとりのファンとして望みたい。
2着は、最内から伸びた2番人気のレッツゴードンキ。3着は、それとの叩き合いで競り負けた、1番人気のレッドファルクスだった。レッドは、12着に大敗した前走の香港スプリントより状態はよくなっていたが、馬場状態がマイナスに作用したように見受けられた。
3番人気のメラグラーナは10着。3走前、重馬場だった京阪杯でも14着に大敗したように、この馬も馬場が合わなかった。
ドバイでは、3つのGIなどに10頭の日本馬が。
さて、高松宮記念に先立ち、日本時間の3月25日(土)の夜から26日未明にかけて、ドバイワールドカップデー諸競走が行われた。
ゴドルフィンマイルにカフジテイク(5着)、UAEダービーにエピカリス(2着)とアディラート(12着)、ドバイゴールデンシャヒーンにディオスコリダー(11着)、ドバイターフにヴィブロス(1着)、ドバイシーマクラシックにサウンズオブアース(6着)、そしてメインのドバイワールドカップにアウォーディー(5着)、ラニ(8着)、アポロケンタッキー(9着)、ゴールドドリーム(14着)という10頭の日本馬が出走した。
ヴィブロスが、昨年のリアルスティールにつづき日本馬による連覇を達成したドバイターフも見応えがあったがが、ドバイワールドカップでスタート直後に挟まれて最後方まで下がりながら、前をひとマクリで抜き去ったアロゲートの勝ちっぷりは強烈だった。