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大家友和の「メジャー挑戦」再び?
41歳ナックルボーラーは今も成長中。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2017/03/15 08:00
R.A.ディッキーが38歳でサイ・ヤング賞に輝くケースがあるなど、ナックルボーラーは選手寿命が長いのだ。
「僕にとっては今さらナニ言うてんの?って感じ」
投げたいんですけどね、という部分は、彼がこれまで長く野球をやってきた証でもある。
希望的観測は皆無。メジャーリーグの投手事情はおろか、5階級以上あるマイナーリーグの台所事情でも簡単にクビになる立場だ。1999年、23歳でメジャーに挑戦し、2010年に横浜に復帰するまでの11年の間に何度もマイナー生活を経験し、言わば「酸いも甘いも知った」選手だからこそ分かることでもある。
「まぁ、普通のことですよ。マイナーが厳しいとか何とかっていうのも、こっちで実際に経験した人間にとっては普通のこと。確かに41歳でそれを経験するのは簡単じゃないけど、僕にとっては今さらナニ言うてんの? って感じもある」
大家がナックルボーラーとしてメジャー復帰を狙うのは、今回が最初ではない。2014年の春、彼はブルージェイズとマイナー契約してメジャーリーグのキャンプに招待選手として参加し、オープン戦で1試合も投げることなく、自由契約となっている。
大家が投げた日、GMはわざわざ視察にやってきた。
マイナー契約に至るまでの経緯は、前回も今回も似ている。まず、アリゾナでの秋季教育リーグに参加中の若手選手たち相手にナックルボールを投げて、非公開の「トライアウト」を受ける。そこで球団スカウト、もしくは秋季リーグのコーチの目に留まって契約にこぎつけている。
オリオールズのダン・デュケットGMは、大家がアーリー・キャンプで初めて打者相手に投げた2月27日、少し離れたメジャーリーグのキャンプ施設からわざわざ車でやってきて、大家のナックルボールを視察している。
「トモはいつだってコントロールが良かったし、今日も良かった。オープン戦の登板については今後、判断していきたいと思う」