イチ流に触れてBACK NUMBER
全治2カ月のケガがわずか8日で回復!?
驚異の肉体を誇るイチローの秘密兵器。
posted2017/03/15 11:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Naoya Sanuki
侍JAPANの熱い戦いに日本中が熱狂している。主戦場である東京ドームから遠く離れること約1万2000キロ。イチローがスプリング・トレーニングを行うフロリダ州ジュピターには今年も南国特有のゆったりした空気が流れている。
マーリンズからは右翼のジアンカルロ・スタントンと中堅のクリスチャン・イエリチが米国チームへ、三塁手のマーティン・プラドはベネズエラ、エースのエディンソン・ボルケスはドミニカへと合流し、チームの顔が4人も抜けたスプリング・トレーニングは物足りなさを感じるのも事実。更にはチーム1の人気者、イチローもまだ全力プレーを見せるには至っていない。
選手との接触で痛めた腰は「まだ全快じゃない」。
2月21日に同僚の招待選手ブランドン・バーンズ外野手と激突した影響で痛めた腰の状態を本人はこう説明する。
「まだ全快じゃないですから。体が。まだまだ抑えながらやります」
オープン戦には3月5日から出場し、安打も記録。芯で捉えた打球が多く、打撃内容はいい。本人も打撃に関しては「出したいと思ったら、そこに(バットは)来る感じはしますけどね。打つのは負担が少ない」と言うものの、「走ったり、投げたりが(まだ通常ではない)……」。
外科医の見地からすると、今回の右膝打撲と腰の筋挫傷は一般的な選手ならば完全復帰まで2カ月かかる可能性もあったと聞く。だが、イチローが全体練習を離れ、電気治療と初動負荷理論の特殊マシンでトレーニングをした別メニュー調整期間は8日間だけ。43歳の肉体は何故それだけケガに強く、回復が早いのか。マーリンズのトレーナー陣も驚きの声を上げている。