長友抜きで好調だったはずのチームに、暗雲が。

　長友抜きでチームは好調だったはずが、26節のローマ戦でインテルは手痛いしっぺ返しをくらった。

　前節ボローニャ戦でDFムリージョが右太ももに筋肉疲労を起こし、南米トリオの一角が崩れた。攻撃の選手を3枚並べるローマを相手にするなら4バックへ回帰するのが常道で、その場合、長友の左サイドバックの先発復帰も予想されていたのだ。

　ところが予想に反し、ピオリは前述した通り左サイドにMFペリシッチを先発させ、右サイドにも3バックとの連係に不安の残るMFカンドレーバを配した。試合は中盤を完全に支配され、3バック左の代役DFダンブロージオは何度も抜かれた。ローマに撃ち合いを挑んだ結果は、3失点惨敗。試合後、指揮官の采配へ批判が渦巻いた。

　立て直しに成功したとはいえ、ユベントスやローマ、ナポリといった上位3強に軒並み敗れ、今季こそタイトルをと意気込んで臨んだコッパイタリアでも、準々決勝で敗退。インテルには、勝ち切れないもどかしさがある。

　戦力はある。しかし、ライバルクラブと比べると、インテルには最後の最後で勝敗を分ける切迫感の欠如は否めない。

インテルに必要なのは、長友らの突き上げ。

　主将イカルディは警鐘を鳴らしつつ、上位追撃へ仕切り直しを図る。

「勝者の気迫やメンタルこそ、スクデットを獲るためにうちに足りないものだ。年に数回とかそんなレベルじゃ駄目だ。勝つことが（息を吸うように）自然なことにならないと」

　イタリアでは王者ユーベに顕著だが、本当に強いチームには馴れ合いがない。ロッカールームをギスギスさせながら、ゲーム本番では勝ち点3奪取のみを目標に、一丸となって勝ち進む。

　今こそインテルが必要としているのは、長友らリザーブ組によるレギュラー組への突き上げや健全な緊張感ではないか。

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