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実は東京五輪の出場権は未定!?
男子バスケの変革はBリーグから。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/02/21 08:00
体格で勝るイランに対しても鋭いカットインを仕掛けた富樫。代表の一員としてプレーできるようになったのはBリーグ開幕あってこそである。
唯一の大学生・馬場はコーチとマンツーマンで練習。
イラン戦には、1人だけ大学生として代表招集された選手がいる。筑波大学の3年生の馬場雄大だ。初日の試合で豪快なダンクシュートを叩きこんで会場を沸かせた馬場は「ダンクがどうとかではなくて、自分が思い切りやろうと思った結果がダンクだったので」と事もなげに話した。それと同時に、こうも強調した。
「個人的には初めての代表でしたし、21歳で一番下なので、試合前にはフレッシュマンらしく思い切りプレーしようということだけを考えてやっていました。それをコートで表現できて良かったですし、少しはチームの勝利に貢献できたかなと思っています」
大学バスケ界は、11月の全日本選手権の後はシーズンオフに入る。この時期に特別指定選手(一般企業で言うインターンに近いかもしれない)としてBリーグのクラブに活動の場を移す選手も少なくない。
しかし彼は、大学のシーズンが終わってからイラン戦の前週まで、パビチェビッチコーチとのマンツーマンでのトレーニングを受けていたという。それもまた、代表強化の1つのあり方だ。
久々の代表選出だった富樫に芽生えている責任感。
23歳の富樫勇樹(千葉ジェッツ)は、初日の試合でチーム最多となる17得点をマークした。年齢的には若手ながら、司令塔としてチームをけん引する立場にある彼も、力強くこう話している。
「Bリーグができて初めての日本代表の試合で、僕自身も久しぶりの代表ということですごく楽しみにしていた。これからは、東京オリンピックにつながる活動が増えてくると思っています。レギュラーシーズンと代表では気持ちの部分でも大きな違いがありますし、責任感というのはもちろん強いです」
東京オリンピックまで“まだ3年半ある”ととらえているようでは、あっという間に時間は過ぎてしまう。1976年のモントリオール大会以来オリンピックに出場できていない日本にとって、時間はいくらあっても足りない。
何よりBリーグが目指すのはバスケットボール界の発展であり、そのために大切なものが日本代表の強化と成長であることに疑問の余地はない。