フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「情熱は衰えた」ある有名作家の告白。
高齢化、中毒化するプレミアリーグ。
text by
フィリップ・オクレールPhilippe Auclair
photograph byMARK LEECH/L'EQUIPE
posted2017/02/13 11:00
これがアーセナルの年間シートパス(カードフォルダの下部分)。価格はおおよそ十数万円から30数万円。
中国における高額移籍金をプレミアは批判できない。
――それはイングランドだけに限ったことなのでしょうか?
「いや、カネが流通する限りにおいて世界のどこでも辿る道のりだ。中国を見ればいい。移籍して行く選手たちの移籍金の高さに、誰もが嫌悪感を抱いている。だが、ミドルズブラがネグレドに対して支払う移籍金とどこが違うのか。プレミアリーグが実践していることを鑑みれば、僕らは中国のおこなっていることを決して馬鹿にはできない」
――それでは希望はどこにありますか?
「サッカーバブルがはじけることを僕は望む。ちょっと太っていてスピードはなくとも、すべてを可能にして親近感を与える選手の方が、多くの人々がそのプレイを見るために大金を払い、まるでサッカー劇場の演劇のようにスーパーなアスリートが活躍しながら、結局は失望させる結果に終わるよりもずっといいのではないか(訳註:ポール・ガスコインや中村俊輔の方が、クリスティアーノ・ロナウドよりもサポーターには親しみやすいということか?)。別に自分の好みを言っているわけではないが」