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“銀河系レアル”に小学生が勝利する!?
楽しさを超えたサッカーの本質とは。 

text by

今井麻夕美

今井麻夕美Mayumi Imai

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photograph byWataru Sato

posted2017/02/12 11:00

“銀河系レアル”に小学生が勝利する!?楽しさを超えたサッカーの本質とは。<Number Web> photograph by Wataru Sato

作家の川端裕人が描いたサッカー小説は「銀河へキックオフ!!」との名前でアニメ化もされた。

スペイン行きがかかる「未来カップ」への挑戦。

 転がってきたボールを、花島は現役時代「稲妻の右」と称されたボレーキックで返す。このキックに圧倒された子供たちは、花島にコーチを依頼してくる。

 こうして桃山プレデターは始動する。さっそく出場した全日本少年サッカー大会の区予選を突破、都大会はベスト8に終わる。彼らが次に目指したのは、8人制の全国大会「未来カップ」。優勝するとスペイン旅行の特典付きだ。世界を目指して戦いに挑むメンバー8人は、多士済々だ。

「三つ子の悪魔」と呼ばれる、虎太、竜持、凰壮の降矢三兄弟。小学生離れした才能と頭脳を持つ彼らは、花島以前のコーチとは反りが合わなかったらしい。

 足の速い女子・エリカと、ダイエット目的で加入したぽっちゃり体型の玲華。

 別の強豪チームにいた青砥と、その友人の多義。青砥の父親はスペイン人で、多義の父親はイラン人。母子家庭、インターナショナルスクールに通うという共通点がある。

集まるはずもない人間が集まって、個性を生かす。

 そしてキャプテンに任命された翼。技術面では劣るが、持ち前の大声でフォーメーションを指示し、三つ子はじめ個性の強い面々をまとめる。

 一方、コーチの花島は現役引退後、別の小学生チームを指導していたが、ある事件がきっかけで解任されたという過去があった。

 目的も環境もバラバラ、三つ子や花島のような腫れものもいる。指揮官を含めておよそ集まるはずのない人間が集まり、個性を生かしたのが桃山プレデタ―なのだ。

【次ページ】 型にはまらない、五感を駆使したサッカーを実践。

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