野球のぼせもんBACK NUMBER
ソフトバンク史上、最も堂々とした新人。
秀岳館で磨かれた九鬼隆平の人間力。
posted2017/01/16 07:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
地元熊本に、昨年末はこれまで以上に帰った。
数えてみると4回。正月の帰省を除けば、残り3回は仕事だった。
そのすべてが復興支援野球教室の取材。12月中旬にはパ・リーグ6球団7名の選手たちと一緒に、阿蘇にも地震後初めて足を運んだ。
自分の眼で初めて見た震災後の阿蘇は、山の一部が削り取られたように消えていた。その真下にあった阿蘇大橋は崩落。大学生の尊い命が奪われた現場だ。
熊本市と阿蘇地方をつなぐ大動脈である国道57号線とJR豊肥本線はいまだ復旧の目処が立たず、地元関係者に訊いても「2017年中も無理でしょう。いつ元の姿に戻るのか、まったく分かりません」とため息をつくしかなかった。
熊本を元気にするために、プロ野球界は随分と動いてくれた。
熊本の被災地を励ますために多くの選手が立ち上がった!
12月はホークス選手会が野球教室を開いた。
ジャイアンツの長野久義やマリーンズの井口資仁は個人的に訪れたりしたというニュースを見た。
大リーガーの岩隈久志や川﨑宗則も駆けつけた。川崎は筆者が把握しているだけでこのオフに熊本で3度も支援イベントを行い、うち1度では川崎、和田毅、杉内俊哉、新垣渚というかつての同僚が顔をそろえた日もあった。
熊本出身の荒木雅博(ドラゴンズ)や山中浩史(スワローズ)、立岡宗一郎(ジャイアンツ)らは年明け1月の自主トレの合間にも野球教室を行った。