プロ野球亭日乗BACK NUMBER
小林誠司には元木大介の匂いがする!?
なぜ阿部は彼に坊主頭を命じたのか。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/01/13 11:30
監督2期目、大型補強という条件で、高橋監督には優勝への期待がより強くかかっている。土下座をしてまで阿部にキャンプでの指導を仰いだという小林。
宇佐見真吾をライバルとして……監督の思惑。
「小林だって1年間、やったからといってレギュラーというわけではない」
今季の構想を取材したときに高橋監督は小林に対して改めて、こう厳しい声を投げかけていた。どうしても殻を破りきれない正捕手候補へのもの足りなさ、不満は隠しきれない様子だった。
だからこそ秋季キャンプでは同じように強肩が売り物で2年目の宇佐見真吾をライバルに指名して尻に火をつけてもいる。
もし小林を正捕手から追い落とすような存在が現れれば、それは巨人にとって理想かもしれない。ただ、現実は今年も小林が正捕手の第1候補であり、指揮官が望む、望まないにかかわらず、チーム浮沈のカギを握る選手であるのは紛れもない事実なのだ。
巨人にとっての本当の理想は……小林が正捕手として誰もが認める存在に成長することなのである。