オリンピックへの道BACK NUMBER
18歳以下世界ランクでトップ5独占!
卓球女子は伊藤、平野以外も充実。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKyodo News
posted2017/01/11 11:30
10代の有望株が勢ぞろいする日本卓球女子。全日本選手権での対決が実現すれば、東京五輪への大事な前哨戦となる。
10代の有望株に加え、福原や石川らシニアも控える。
特に目を引くのは女子の層の厚さだ。先に記した各大会での成績はむろんのこと、2017年1月現在の18歳以下の世界ランキングを見ると、1位伊藤、2位に平野、3位に早田、4位には今年5月29日に開幕する世界選手権代表に選ばれた加藤美優、5位に塩見真希。上位5名を日本の選手が独占している。
中国の同世代の強豪の中には、ランキング対象となる大会にそれほど出ていない選手もいるため、一概にランキングがそのまま世界での位置づけを示しているわけではない。それでも、若い世代の充実がうかがえるデータである。
さらに、福原愛、石川佳純らシニアの選手たちがいる。第一人者に加え、選手が次々に成長し、層が厚くなっていることは、日本卓球界にとっては先々への明るい展望である。一方、選手の立場からすれば、日本代表をめぐる激しい戦いが待ち受けていることを物語っている。
東京五輪への出場権争いは、すでに始まっている。
オリンピックの代表は、世界ランキングの上位2選手がシングルス、3人目が団体戦に選ばれている。東京五輪も同様であるなら、なおさら、ランキング争いが重要となる。そしてランキングは、1大会の好成績でどうこうなるわけではない。
それを肌身に感じるからこそ、伊藤は「もう始まっていますから」と言ったのだ。息つく暇もないのが、選手たちの置かれている状況だ。
全日本選手権もまた、その舞台の1つである。伊藤に限らず、日本代表を見据えた長期的な戦いが続くのを知るからこそ、簡単にライバルたちに負けるわけにはいかない。そして今大会での成績は、平野が「4番目のメンバー」としてリオに行きながら出場できなかった悔しさを胸に飛躍したように、次の糧となる。