オリンピックへの道BACK NUMBER
18歳以下世界ランクでトップ5独占!
卓球女子は伊藤、平野以外も充実。
posted2017/01/11 11:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kyodo News
1月16日から、卓球の全日本選手権が始まる。
大会の開幕を前に、思い起こす言葉がある。
リオデジャネイロ五輪のあと、女子団体戦に出場して銅メダルを獲得した伊藤美誠に取材した。そのとき、伊藤はこう語った。
「(2020年の)東京へ向けて、もう始まっていますから」
大舞台を終えて少し時間は経っていたが、それでも忙しく合宿や遠征に勤しむ合い間のこと。スケジュールを聞けば、日本にいる期間は数えるほどしかない中、疲れをみじんも感じさせず、ひと息つこうという解放感も一切なく、真剣な眼差しで言ったのである。それは伊藤の、心からの言葉であったことをあらためて感じる。日本卓球界の現在がそうさせているのだ。
五輪以外の大会でも若い世代が活況を呈した。
振り返ってみれば2016年は日本卓球界にとって、大きな1年となった。リオデジャネイロ五輪では、男子では五輪初のメダルとなる銅メダルを水谷隼が獲得し、男子団体でも銀メダル。女子も団体で銅メダルを手にした。
それだけにとどまらない。10月のワールドカップ(アメリカ・フィラデルフィア)で、リオには出場できなかった平野美宇が史上最年少で優勝を果たした。
ワールドツアー・グランドファイナルでは、早田ひな・浜本由惟が女子ダブルスで優勝。世界ジュニア選手権でも、男女それぞれが団体で優勝を果たし、男子シングルスで張本智和が優勝するなど、各種目で好成績を残したのである。リオに出場した男女各選手の活躍はむろんのこと、若い世代が活況を呈していることを証明したのが2016年である。