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新年は彼らの言葉もひと味違う。
香川、武藤、長谷部が空港で……。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/01/07 11:00
今季開幕戦の試合後、笑顔を見せ合った香川と武藤。日本でのリフレッシュを経て、再びドイツでの研鑚に励む。
Jリーグの年上選手たちから刺激を受け、向上心を。
もちろん、個人的に思うことはある。それも、とても強い想いが。
「Jリーグでも、自分よりも歳を重ねている選手、例えば(中村)憲剛さんがMVPをとりました。元旦の天皇杯も見ましたけど、(小笠原)満男さんもソガさん(曽ヶ端準)も、(大久保)嘉人さんなんかも、みんな元気でやっていますから。僕も負けずに。こういう年齢になると、維持したり、継続したりしようと思ったりはするかもしれません。だけど、そういうものは自分の中では後退だと思うので、とにかく向上心をもって、さらなる成長を。
今はフランクフルトで色々なポジションをやらせてもらっていますから、その中で色々な発見もありますから。良い形で成長できるようにやっていきたいと思います」
“リベロ長谷部”となり、サッカーの奥深さを感じた。
今シーズンのフランクフルトは、長谷部が戦術の鍵を握っている。いわゆるリベロとなってDFラインの真ん中と、守備的MFを兼務している。長谷部がいるから、試合の途中でもフランクフルトは戦い方に変化をつけられるのだ。
「感じるのは、サッカーの世界ではとにかく戦術などの変化がすごく早いということ。かつて流行ったような3バックなどを、ここにきて採用してきているチームが多いですし。しかも、ただ3バックというわけではなくて、相手がこうきたらこう変えるみたいな形で。そんなサッカーの奥深さを、この年齢になって、コバチ監督と出会って、感じる部分もあります」
CL出場権の得られる4位で2017年を迎えたフランクフルトの3バックは、クラシックなものではなく現代風にアレンジされたものであり、チームを率いるコバチ監督とともに高く評価されている。そんな自負があるからだろう。長谷部は1人の恩人の名前を挙げた。