スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
重要な試合ほどハメスは使われない。
ジダン体制での冷遇で、移籍間近か。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byGetty Images
posted2016/12/23 07:00
笑顔でクラブW杯のトロフィーを手にするハメス。しかし内心は決勝戦で1分も出場できなかった事実に不服だったのだろう。
言葉とは裏腹に、ジダンからの評価は高くない。
会見で繰り返す言葉とは裏腹に、ジダンがその采配を通してハメスに移籍を促してきたことは誰の目にも明らかだ。
今季のルーカスや最近のイスコが素晴らしいパフォーマンスを見せていることは確かながら、それでもハメスほど得点&アシスト能力の高い選手がここまで起用されないのは不自然である。
バルセロナのアレイクス・ビダル、セビージャの清武弘嗣などもそうだが、ここまで極端に冷遇される理由はもう指揮官との相性や好みにあると考える他ない。
しかもタイトル獲得に沸くチームに水を差した今回の発言により、クラブ内におけるハメスの印象はさらに悪化してしまった。
マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、パリ・サンジェルマン、ユベントス、インテルなど買い手に不足はない。
レアル・マドリーの10番が今冬の移籍市場の主役となる可能性は、十分にありそうだ。