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「ユベントスの倒し方はわかった」
鉄壁の守備陣についに衰えが……。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2016/12/14 11:00

「ユベントスの倒し方はわかった」鉄壁の守備陣についに衰えが……。<Number Web> photograph by AFLO

(左から)ボヌッチ、キエッリーニ、バルザーリはユベントスと代表を支える不動のDFトリオ。この鉄壁の「BBC」にヒビが入り始めた。

増え続ける故障者と若手の抜擢は表裏一体。

 減らない故障者リストも指揮官アッレグリの悩みの種だ。

 ジェノア戦では、DFダニ・アウベスが後半の接触プレーで左脚腓骨を骨折した。「(全治4カ月は)思ったより悪くない」と本人は陽気に強がるものの、11月末時点でチーム全体の故障者は延べ19人に上り、故障者の出場不可試合数は通算45試合分に膨れ上がった。

 13節ペスカーラ戦で、16歳のFWキーンが史上初の'00年代生まれのセリエAプレーヤーとしてデビューという明るい話題もあったが、ティーネイジャーの大抜擢はそれだけ主力に故障者が多く、戦力が定まっていない証拠でもあるのだ。

 新エースとなった“9000万ユーロの男”FWイグアインは、同胞FWディバラがポジションを下げたおかげでナポリ時代の3トップと異なる戦法に適応したが、その分昨季得点ランク2位だったFWディバラのゴールペースは半減している。

 昨季までMFポグバ(現マンU)が質と量で圧倒していた中盤では、MFピアニッチがレジスタへのコンバートに失敗した。

 新戦力や守備陣が本調子といえない中、ユーベのセリエA首位を支えているのは、皮肉なことに夏の巨大補強のせいで一時は戦力外と見なされていたMFエルナネスやCL出場リストから漏れているDFリヒトシュタイナーらだ。

 シーズン半ばにしてリザーブ組フル稼働の“総力戦”を強いられているユーベには、昨季まであった安定感はない。

先制を許し、ギリギリでの逆転勝ちも……。

 あらゆる問題が噴出し、失意に沈んだジェノア戦後、智将アッレグリは珍しく声を荒げた。

「敗戦はチーム全員の責任だ。誰ひとり許されない。そして、最初に批判されるべきは指揮官たる自分だ」

 再起を図った15節アタランタ戦でMFピアニッチをトップ下起用した采配が当たり、3-1で難敵を下すと、続くCL最終節ディナモ・ザグレブ戦では若手DFルガーニを軸にDFベナティアとDFエブラを従えた新3バックで完封勝ちを収めた。

 鬼門は先週末の16節トリノ・ダービーだった。

 前半16分で先制を許し、同点に追いついた後も苦しい展開を強いられたが、後半のFWディバラ投入で流れを変え、FWイグアインとMFピアニッチのゴールで逆転勝ちを収めた。

「得点王のいるチームはもう何シーズンもスクデットを獲っていない。たぶん、イグアインは今季の得点王にならない方がいいな」

 チームへの檄と細かな戦術対応で3連勝を手にしたアッレグリは彼一流のユーモアを披露したが、ユベントスが抱える問題が完全に解消されたわけではない。

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