岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER
岩渕GM、女子15人制は最後の大仕事。
2017年のワールドカップ予選が開始!
posted2016/12/12 17:00
text by
岩渕健輔Kensuke Iwabuchi
photograph by
AFLO
こんにちは。日本ラグビーフットボール協会、代表GMの岩渕健輔です。
明日12月13日から、女子ラグビーワールドカップ2017に向け、アジア・オセアニア地区予選における日本代表の試合がいよいよ始まります。今回は予選の見所紹介を兼ねて、女子15人制の日本代表について、みなさんと一緒に考えていければと思います。
そもそもみなさんの中には、「女子には15人制の代表もあったのか?」、「女子のワールドカップが行われているなんて、初めて聞いたよ」と驚かれる方もかなり多いのではないでしょうか。
ラグビーといえば男子のスポーツ、というイメージが強いのが世界共通です。今夏のリオ五輪では、「サクラセブンズ」(女子7人制の日本代表)もスポットライトを浴びましたが、女子の15人制代表は、従来の日本ではまさに知る人ぞ知る存在でした。
ただし、実は日本の女子15人制ラグビーは、かなり長い歴史を持っています。
まず女子ラグビーワールドカップは1991年から開催され、日本代表は、第1回大会から出場。過去の大会では、合計して3勝を挙げてきました。
みなさんもご存知の通り、男子15人制の代表は、昨年のワールドカップイングランド大会で3勝を挙げて世界に衝撃を与えたものの、それまでの勝利は1勝に留まっていました。その点では、女子15人制代表の方が、ワールドカップにおける戦績は上回っていたとさえ言えます。
世界には女子のリーグ戦がある国も。
また女子の15人制ラグビーには、日本以外の国でもたしかな歴史があります。ヨーロッパの強豪国(イングランド、フランス、アイルランド、イタリア、スコットランド、ウェールズ)と、ニュージーランドやオーストラリア、そしてカナダやアメリカでは、女子の15人制ラグビーが盛んに行われてきましたし、国内のリーグ戦が開催されている国もあります。
アジア諸国やアフリカなどの「女子ラグビー新興国」において、7人制の方が親しまれているのと対照的に、これらの強豪国ではやはりラグビーといえば15人制が主流になってきたのです。