岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER
岩渕GM、女子15人制は最後の大仕事。
2017年のワールドカップ予選が開始!
text by
岩渕健輔Kensuke Iwabuchi
photograph byAFLO
posted2016/12/12 17:00
リオ五輪でも活躍した桑井亜乃は15人制にも代表入りしている。世界の経験をチームに還元することが期待される。
カザフスタンが不出場なのは追い風だが……。
明日から始まるアジア・オセアニア予選、日本代表は香港代表、フィジー代表と、2枠の本大会出場権をかけて戦います。
カザフスタン代表は様々な事情で出場できなくなり、代わりにフィジーが予選に加わることになりました。これは今回の予選では、アジアとオセアニアの予選枠が統合されたためです。
カザフスタン代表が出場できなくなったのは日本にとって追い風となりましたが、香港代表やフィジー代表も侮ることはできません。香港代表はアジアにおけるラグビーの伝統国の1つですし、フィジー代表は男子チーム同様、卓越した「個」の強さを誇ります。
しかし、日本代表もしっかりと準備をしてきました。試合の詳細については、予選が終わった後に、また皆さんと一緒に振り返りたいと思いますが、香港代表に対しては80分間走り負けしないスタミナ、フィジー代表に対しては、日本が誇る組織的なプレーが武器になります。
長年の努力が報われる瞬間に、声援を。
ただし、4大会ぶりの女子ラグビーワールドカップ出場を手中に納めるためには、もう1つ、絶対に欠かせない要素があります。それは1人でも多くのみなさんに試合を見ていただき、熱い声援を送っていただくことです。
女子15人制代表の選手たちは、女子ラグビーにスポットライトが当たらない頃から、ひたむきな努力を重ねてきました。
これは歴代の選手やコーチングスタッフ、そしてチーム関係者も同様です。かつての代表選手たちは、活動拠点を求めて海外のクラブチームに単身で渡ったり、アルバイトをしながら、日本国内でラグビー選手として活動を続ける選手も数多くいました。
彼女たちの努力は今、報われつつあります。
最終目標は、来年アイルランドで開催される本大会で結果を出すことですが、まずはアジア・オセアニアの壁をなんとしても乗り越えるべく、みなさんと気持ちを1つにして、試合に臨めれば幸いです。
(取材・構成:田邊雅之)