大学時代の恩師も「松山は人間的にも成長した」。

　ツアートーナメントの1週間は、その場の選手とギャラリー、スポンサーのためだけの興行に留めるには惜しい。日本ツアーは、低迷しているといわれる男子ゴルフは、どんな道筋を歩むべきか。

　松山がそんな風に思いを巡らせていたのは、中国でのビッグイベントに臨み、来年から韓国でも米ツアーの試合が開催されることが発表された直後のことだった。

　狂騒の御殿場で、大学時代の恩師・阿部靖彦監督は「松山は人間的にも成長した」と話した。

　アマチュアでツアー制覇を成し遂げた5年前の同大会を振り返り「ひとつひとつの受け答えにしてもね。あの頃は、インタビューにもロクに答えられずに、おれが皆さんに頭を下げて歩いていたでしょう？（笑）。技術の進歩はもちろんだけど、まだ24歳で、積み重ねている段階。すべてがそろった時に、メジャー制覇となればいい」と目を細めた。

　松山英樹の影響力はいま、ボールとクラブを操ることだけに留まらない。立ち振る舞いや発言もまた同じである。

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