フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
十代のメダリスト3人と元女王。
フランス杯で見た浅田真央の涙。
posted2016/11/14 17:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
REUTERS/AFLO
11月11日(現地時間)から、パリでGPシリーズ4試合目、フランス杯が開催された。
昨年ボルドーで開催されていたこの大会が、パリの同時多発テロ事件のためSP後に中断されるという異常事態となってからちょうど1年である。今年は会場のベルシーアリーナが改修を終え、3年ぶりに大会がパリに戻ってきた。
女子は3人のティーネージャーが、表彰台に上がった。
世界チャンピオンのエフゲニア・メドベデワが優勝したのは大方の予想通りだったが、2位にはロシアの16歳マリア・ソツコワ、3位には15歳の樋口新葉が入賞。一足先にシニアデビューしたメドベデワも、大会開催時はまだ16歳。ソツコワと樋口はいずれもこの大会がシニアGPデビュー戦で、ジュニアで競ってきた3人が、この大会の女子表彰台を独占することになった。
樋口新葉は順調にSP5位でスタート。
樋口新葉はSPでは3ルッツ+3トウループをきれいに降りたが、フリップが2回転になってしまったのは勿体なかった。
65.02で5位に立つも、演技後には明るい表情を見せ、「フリップが惜しかったなと思うんですけれど、東日本(選手権)で3+3が入らなくて不安だったので、それが入ったのは良かったと思います」とコメント。
大きな舞台でも緊張した様子を見せないのは、さすが世界ジュニアで2年連続銅メダルを獲得しただけのことはある。
フリーで樋口は3ルッツ+3トウループ、3ループ、3サルコウと次々とジャンプをきれいに成功させていき、後半のルッツが1回転になってしまったことが、唯一の目立ったミスだった。スケーティングの巧さとスピードでジュニア時代から高い評価を得ていた樋口だが、5コンポーネンツではトランジション以外すべて8点台を揃えてフリー129.48、総合194.46でパーソナルベストを更新した。
「昨日より落ち着いてできた。ひとつひとつのジャンプに集中してやるようにと思って滑った。点数的にはすごく自分でもよかったと思うけれど、目立つミスがあったのでそこを修正して完璧な演技がいつもできるようにしたいと思います」とコメント。
会見でこの大会に赴いたときの目標は、と聞かれると、「表彰台を目標にしていたので達成できてすごく嬉しいです」と堂々と答え、次の試合のNHK杯ではここで入らなかった3ルッツを2本成功させたい、と笑顔を見せた。