フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
スケートカナダは予想外の展開に。
P・チャン連覇と羽生結弦2位スタート。
posted2016/10/31 17:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
10月28日から、トロント郊外ミシサーガでGPシリーズ第2弾のスケートカナダが開催された。日本からは羽生結弦、無良崇人、宮原知子、本郷理華、永井優香の5人のシングル選手が出場した。
女子SPは、世界チャンピオンのエフゲニア・メドベデワ(ロシア)が予想通りトップに立った。
『River Flows in You』の音楽を使ったプログラムで、ジャンプはすべてボーナスポイントのつく後半に持ってくるという構成は、昨シーズンと変わっていない。3フリップ+3トウループ、3ループ、2アクセルをしっかりきめて、頭上に片手をあげる彼女の得意技も健在である。76.24でトップに立った。
2位は、地元カナダのケイトリン・オズモンドだった。
シャンソンのメドレーにのって、質の高い3フリップ+3トウループ、3ルッツなど驚くほどキレの良い演技で、よく滑り込んできたことがわかるプログラムだった。74.33でパーソナルベストスコアを更新。SP2位についた。
3位は3+3トウループコンビネーションなど、安定した演技で66.79を得たエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)だった。
日本勢は、まず本郷4位、宮原が5位でスタート。
日本勢は1番滑走だった本郷理華が65.75で4位。
『カルミナ・ブラーナ』の音楽にのり、3フリップ、3+3トウループコンビネーション、2アクセルをノーミスできめ、最後のステップシークエンスではドラマチックなメロディの盛り上がりをうまく使って大きな歓声を得た。
宮原知子は、『ラ・ボエーム』のワルツのメロディにのって3ルッツ+3トウループなどを降りたが、3トウループが回転不足の判定に。また3フリップでは不正エッジのマークがついて65.24と予想よりも厳しいスコアが出た。
「(ジャンプは)練習ではできてきているのですが、本番になるとやはり緊張してちょっと委縮してしまった」と反省の弁を口にした宮原。コーチと話している最中に、思わず悔し涙を流したという。
永井優香は、ジャンプエレメントのうち成功したのが3ループのみ、という不調な演技で11位という厳しいスタートになった。