浦和の中でもぶっちぎりにならないと海外には……。

　残念ながら、関根にとっての世代別代表での戦いは幕を閉じた。本人も「よりチャンスがあるのは世代別だったけど、それが終わった以上は日本を背負うためにはA代表しかない。それだけの選手にならなきゃいけない」と、リオ組を追い越していく決意を固めている。

　では、いかにすれば、その権利を得られるのか。それが冒頭に記した関根の言葉につながっていく。

「日本代表に入って当たり前だという結果とプレーをコンスタントに出せるプレーヤーでないと、選ばれても浮いているだけになると思うので。Jリーグで他の選手と比べても、ずば抜けて目立つくらいのプレーを見せる必要がある。あとは、海外に行くのが一番チャンスが広がるのかなと思う」

　今まであまり表に出してこなかった「海外に行く」という言葉が口から出た。ただしそれは、ただ海外に行けばいいという発想ではないことも明言した。

「モヤッとではなく、明確になりつつありますよ。同世代の久保（裕也・ヤングボーイズ）君や南野（拓実・ザルツブルク）君も行っていますから。それに、（原口）元気君のように身近にいた選手が活躍していると、イメージは明確になってきますよ。ただ、このチームの中でもぶっちぎりの存在にならないと海外に行けないと思うし、それが代表への道なのかなと」

原口のヘルタ移籍直前に繰り返した“1対1バトル”。

　先日のロシア・ワールドカップアジア最終予選のタイ戦で先発出場し、決勝ゴールを決めた原口元気は浦和の下部組織からトップチームに上がり、2014年6月にヘルタ・ベルリンへ移籍した選手だ。同じく浦和ユースから昇格の関根は、デビュー年の約半年間だったが原口と共にプレーした。

　原口は物怖じせずにプレーする関根のことをかわいがり、トレーニング前後にできる主力選手たちの輪の中にも積極的に引き込んだ。ヘルタへの移籍が決まる直前に、トレーニング終了後に関根と1対1の勝負を繰り返し、何度も抜き去ってシュートを決めた上で「あいつ今の、相当に悔しがっているから。でも、あいつの将来は楽しみだよね」と、笑顔で話していたのが強い記憶に残る。

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