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“引くアジア”に香川真司の本領を!
起点のパスとショートコーナーを見よ。
posted2016/09/01 11:15
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Getty Images
8月27日、ピッチ上の体感温度は45度近くになったマインツとの試合で、香川真司はフル出場を果たした。過酷なコンディションに苦しみながら2-1で開幕戦を勝利で飾った後、ホッとした表情を見せた。
「別に悲観的になる必要はないです。最初は、リーグ戦で厳しい戦いが続くなと思います。メンバーが代わって、選手の特徴も変わったりして、最初はすごく戸惑いがあると思うんです。
ただ、絶対にうまくいくと信じています。上手くやれるだけのクオリティはあるので。忍耐強く、次の試合はもっと良くなるように。今日ホントに暑さがあったんで、日本でもなかなか感じられないような(気温の)高さだったので。体力的にはキツかったですけど、とりあえず勝つことが第一で。勝てて良かったです」
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チームとしても、個人としても満足いく内容とは程遠いパフォーマンスだったにもかかわらず、落ち着いて話した。その言葉通り、悲観する様子はみじんもなかった。
指揮官の“秘蔵っ子”シュールレと好連携を披露。
開幕の5日前に行なわれたドイツ杯1回戦で2ゴールを決めたことも理由の一つだろう。あるいは、今季から加入した8選手のなかで、ゲッツェやデンベレほどには話題にならないながらも、ドルトムントのキーマンとなりそうなシュールレとの連携からそれらのゴールが生まれたことも然りだ。
シュールレは、トゥヘル監督が2009-2010シーズン開幕直前にマインツのU-19からトップチームの監督に就任したのにあわせて、U-19から昇格してプロデビューを果たした。言わば、シュールレはトゥヘル監督の“秘蔵っ子”。香川が早くも連動性を示せたことは大きい。
ただ、一喜一憂せずにいられたのは何よりも、様々な経験をして、手にした自信があるからだろう。
良い内容のサッカーをするためにはどうしたらいいか。普段のトレーニングでチームとしての戦い方を磨くことも大切だが、結果を積み重ねることで選手が自信を持ち、それが内容のともなったサッカーにつながることを彼は理解している。