ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
“引くアジア”に香川真司の本領を!
起点のパスとショートコーナーを見よ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2016/09/01 11:15
ドイツ杯1回戦で今季のクラブ公式戦初ゴールを決めた香川。UAE戦でも活躍を見せられるだろうか。
香川が見せる「ショートコーナー」の輝き。
香川は試合のなかで、自らの判断で、適切なタイミングでショートコーナーを選択してそれらをゴールに結びつけているのだ。
日本代表での試合を例に挙げよう。3月29日のシリア戦の1点目は相手のオウンゴールだったが、これも香川がショートコーナーでボールを受けに行って生まれたものだ。この試合で4本目のコーナーキックだった。
ドルトムントでも同じだ。8月27日のマインツ戦での先制ゴールもキッカーの香川とシュールレがショートコーナーでパス交換したあとのクロスから生まれている。
ADVERTISEMENT
日本代表は2015年に行なわれたアジアカップでは準々決勝で敗退したこともあり、今回のW杯最終予選を前に、本大会出場を不安視する声も以前に比べれば強いかもしれない。しかし、それらの不安を一蹴するだけの経験を香川が積んできたこともまた事実だ。
あとは、それをピッチで発揮するだけ。そして、内容が伴わなくとも、落胆することもなく、淡々とプレーできる今の香川にはその準備は出来ているのではないだろうか。