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松山英樹は「ベスト・ジャパニーズ」?
米国人記者が口にした興味深い評価。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph bySonoko Funakoshi

posted2016/08/31 07:00

松山英樹は「ベスト・ジャパニーズ」?米国人記者が口にした興味深い評価。<Number Web> photograph by Sonoko Funakoshi

国籍を抜きにしても、1人のプロゴルファーとして松山が高い評価を受けているのは確かである。

米国人記者は松山をどう思っているのだろうか?

 だが、松山が米ツアー参戦を開始し、2014年にメモリアル・トーナメントで初優勝、今年2月にフェニックス・オープンを制して2勝目を挙げてからというもの、米ツアーにおける「ジャパン」「ジャパニーズ」の存在感や注目度は確実に大きく高くなっている。

 近代技術の進化と向上のおかげでストリーミング放送が開始されるやいなや、「注目組」に松山が選ばれる機会は増加の一途。ロープ際の米国人ファンから「ゴー、ヒデキ!」と英語の声援が頻繁に飛び、米国人ファンが松山にサインや握手をねだる場面も増えている。

 間近に眺めるそうした現象自体が、すでに「ベスト・ジャパニーズは松山だ」と物語っているように私には思えるのだが、米メディアの意見や見方に妙に興味が湧き、日頃から松山の動向を気にかけて聞いてくる1人の米国人男性記者に声をかけた。

松山と尾崎の関係性は、イチローと王に通ずる?

 この記者は「MATSUYAMA」と記されたネームボードをどこかの大会の終了後に「もらって、持って帰って、オフィスの僕の机に飾ってる」というほどの松山ファン。そして彼の「ベスト・ジャパニーズ論」は、なかなか面白かった。

「僕たちアメリカ人がこのアメリカでベスト・アメリカン・プレーヤーを論じるときは、当たり前だけど僕らの母国であるこのアメリカで最高のパフォーマンスをした人、最高の成績を残した人、最高の人気を誇った人という話になる。

 だからかもしれないけど、ベスト・ジャパニーズは誰かと尋ねられると、ジャパニーズにとってのベストは母国ジャパンで“最高”を出した人だと思いがち。この米ツアーで何勝したかというより、日本で最多優勝したジャンボ・オザキが日本のベストだろうとか、そういうふうに思えたりする。

 野球でいえば、3000本安打でアメリカのファンを沸かせたイチローはもちろんグレートだけど、イチローはむしろアメリカで生まれたヒーローで、ジャパニーズのベストはきっとホームラン王のサダハル・オウ(王貞治)ってことになるんじゃないかなって、僕らがそう思うのと同じかな」

 頷けるようで頷けないような、ちょっぴりリアクションに困るぐらいユニークな説だった。しかし、それならば、彼はなぜ松山のファンなのか。彼は松山という選手をどう見ているのか。

【次ページ】 「彼が何人かということを忘れて応援したくなる」

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