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「もったいない」とは異なる言葉を。
手倉森Jの敗退に必要な検証とは。

posted2016/08/11 15:40

 
「もったいない」とは異なる言葉を。手倉森Jの敗退に必要な検証とは。<Number Web> photograph by JMPA

自力での決勝トーナメント進出が消えた日本だったが、それでも最後は勝利を手にして見せた。その逞しさは、次につながるはずだ。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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JMPA

 もったいない、で終わらせてはいけない。

 現地時間8月10日に行なわれたスウェーデンとのグループリーグ第3戦は、手倉森誠監督のチームらしい戦いだった。主導権を握りながらゴールが奪えない前半も、相手にスキを見せていない。ハーフタイムを挟んで攻撃にさらなるパワーを注ぎ、自陣にブロックを作る相手の守備をこじ開けた。65分のゴールを守り切り、1-0で勝利をつかんだ。

「スウェーデンがブロックで守ってくるのはスカウティングで分かっていたので、ボールを動かせるのは動かせるなと思っていた。前半はそのとおりにいって、でもなかなかいい形がなかったですけど、前半から動かし続けたことで後半は相手がバテて守備がスカスカだったし、クロスには入っていこうと思っていました。大島くん(僚太)のラストパスが良かったので、ホントに当てるだけだった」

 後半途中からの出場で決勝ゴールをあげた矢島慎也がこう話せば、キャプテン遠藤航も勝利の必然性を口にする。

「前半がゼロゼロで終わっても焦りはなかったですし、自分たちのリズムでやれていたので、後半は絶対に点を取れると思っていた。実際にそのとおりになって、ゼロで抑えて勝てたのは、自分たちらしさを出せたのかなと思います」

大会初勝利の喜びは、遠藤の表情にはなかった。

 ただ、と遠藤は言葉をつなぐ。大会初勝利をあげた喜びは、彼の表情には浮かんでいない。

「試合が終わってコロンビアの結果を聞いた瞬間は、これで終わってしまう悔しさがこみあげてきました。勝って敗退なので」

 同時刻にキックオフされたコロンビア対ナイジェリア戦は、コロンビアの勝利に終わっていた。日本は1勝1分1敗として勝点を「4」まで伸ばしたが、コロンビアは1勝2分けでグループリーグを終えた。勝点1差で2位に届かず、日本のリオ五輪は終わった。

【次ページ】 日本が直面した課題は、新しくも特別でもなかった。

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