リオ五輪PRESSBACK NUMBER
浅野拓磨が3戦目に描く「イメージ」。
かかとの痛みはピッチでは忘れる。
posted2016/08/10 11:40
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
JMPA
2014年1月から活動を続けてきた手倉森誠監督とその仲間たちにとって、2016年8月10日はもっとも重要な1日になるだろう。スウェーデンとのリオ五輪グループリーグの第3戦は、勝利が絶対条件のサバイバルマッチだ。
ピッチに立つ全員がキーマンである。どんなシステムでも、どんな組み合わせでも、11人が自らのタスクを果たさなければならない。
そのなかで、あえてキーマンをひとりに絞るなら──浅野拓磨の名前をあげたい。
2試合連続でゴールをあげている。ナイジェリア戦は途中出場で、コロンビア戦はスタメンで、鮮やかにネットを揺らした。決勝戦まで音無しだったアジア最終予選とは対照的に、疾走感溢れる大会にすることができている。
だが、浅野自身の表情は晴れない。チームが勝利をつかめていないからだ。
「2戦連発という意識はとくにないです。チームのみんながチャンスを作ってくれているので、もっともっと取れていると思います。そこは僕自身の課題でもあるので、ホントに目をそらさずに、ひたむきにやっていくしかないと思います」
いつ怪我をしたかわからない、という集中度。
気になるのはコンディションである。
スウェーデン戦の前日に行われた練習を、浅野は別メニューで終えている。コロンビア戦で、右足のかかとを痛めてしまったのだ。どの時間帯のどのプレーがきっかけなのかは、「覚えていないんです」と言う。それぐらい集中していたのだろう。
「プレー中もずっと痛みを感じながらやっていたので。たぶん打撲なので、全然問題はないと思います」
そう話す取材対応中も、ときおり右足を動かす。
「ぶっちゃけたところで言えば、痛みは昨日とあまり変わっていないです。明日になってみないと分からないな、という感じです。ただ、僕自身はどういう状況であれ、ピッチに立てればそんなことは忘れてプレーできると思うので」