ニッポン野球音頭BACK NUMBER
わずか4日間で防御率1.69から3.73。
DeNA山崎康晃、悪夢を“笑顔の財産”に。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/08/11 08:00
山崎は昨シーズン、8月後半から9月上旬にかけて苦しんだ。勝負の終盤戦を前に決め球ツーシームのキレを復活させたい。
“神対応”のオーラはチームメートにも波及する。
この連勝を「チームの団結の結果」と表現するのは短絡的かもしれない。だが、きっかけが山崎の不振となると、やはりその説も捨てきれないと思うのだ。
言うまでもなく、山崎はDeNAを象徴する選手の一人だ。ルーキーだった昨季、37セーブを挙げて新人王を獲得した実績もさることながら、ファンに向き合う姿勢は“神対応”とも評されるほど。その陽性のオーラは当然、選手たちも感じている。
山崎の資質について、田中はこう言った。
「やっぱり、そういう星の下に生まれてきてるんだろうなって思いますね。僕なんかどっちかといえば不愛想で、下を向いて歩いてるような人間なので(笑)。人のために何かをしてあげようとか、そういうことができるからあれだけ人気もあるんだろうと思うし、野球でのパフォーマンスも素晴らしいものを持っている。ちょっとうらやましいなと思いますよね」
キャプテン筒香が山崎の車の助手席に乗り……。
2007年のセンバツ優勝投手である田中がうらやむほどのスター性が、山崎が2年目ながらチームの中心にいられる一つの理由だろう。
8月5日の試合では、山崎の降板時、中継を見ていたファンの間である光景が話題になっていた。スタンドからは気づかなかったのだが、あふれる涙をこらえながらベンチに下がった山崎の顔がカメラに抜かれるのを妨げるように、若手の山下幸輝と関根大気の2人がさりげなく前に立ち、“壁”になっていたというのだ。
試合後には、チームキャプテンの筒香嘉智がその大きな体を山崎の車の助手席に滑り込ませる光景が見られた。ブルペンを担当する木塚敦志投手コーチは「(セーブ失敗が)続いたっていうのは痛手かもしれないけど、ここから立ち直れるのが彼だと思っている」と変わらぬ信頼を口にした。