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G1クライマックスも「トランキーロ」。
“あっせんなよ”内藤哲也の代理業。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2016/08/02 11:30
前IWGPヘビー級王者の内藤。とにかく、勝っても負けても会場を沸かせる能力はピカイチだ。
「あっせんなよ」は内藤自身への呼びかけなのか?
そんな内藤が、今年も真夏のG1クライマックスをそれなりに戦っている。それなりに、は言い換えればマイペースだ。
内藤は2013年、第23回大会の優勝者だ。
もっと早くG1を手にできるチャンスはあったが、2度にわたった悪夢のようなヒザのアクシデントがそれを遅らせた。
バカげてはいるが“あせり”から靭帯を切ったまま、リングに上がり続けたことさえある。
それを思い出すと「あっせんなよ」はそんな内藤自身の気持ちを、いまさらながらに強く表現したものなのだと合点がいく。
勝っても負けても常に淡々、お構いなし。
このG1では内藤は戦う姿勢を前面に出している。リング・コスチュームも早めに脱いで、戦いに備える。
だが、一方で勝ち星を落としても、内藤は平気だ。
初戦の後楽園ホールは永田裕志にバックドロップ・ホールドで負けたが、第2戦の相手である怪力マイケル・エルガンとは、同じ後楽園ホールで真っ向勝負を見せ、強い内藤をアピールできた。
第3戦は長野で矢野通をあっさり仕留めている。
4戦目は愛知県体育館のメインでは柴田勝頼をいたぶったが、最後はしめ落とされてしまった。
結果は、勝ったり負けたりのG1ロードになっている。
それでも、内藤はお構いなしで、淡々としている。