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悪のプロレスラーがテレビで大活躍…何が上谷沙弥を“変えた”のか?「中野たむ。それしかない」“ヒールだけどいい人”説には反論「意外と怖いよ」
posted2025/10/31 17:40
スターダムの赤いベルトと新日本プロレスのSTRONG女子王座のベルトを保持する上谷沙弥。東京ドームでの興行をぶち上げ、プロレス大賞MVP獲りに走る
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原悦生Essei Hara
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Essei Hara
スターダムの悪の女王・上谷沙弥は現在ワールド・オブ・スターダム王座(赤いベルト)と新日本プロレスのSTRONG女子王座の2冠を保持している。11月3日には、大田区総合体育館で同門H.A.T.E.の渡辺桃の挑戦を受ける。
「東京ドーム興行を…今の自分には発言権ある」
タイトルマッチを前に、上谷に話を聞いた。
「この戦いは『5★STAR GP』を制したこの夏最強の女・桃と、赤いベルトの絶対王者・沙弥様の最強同士の至高の戦い。桃は『5★STAR』も赤いベルトも何度もチャレンジしてここまで来た。口数が多い方ではないから、本心で自分に対して何を思っているのかなあというのはある。でも、最高の戦いをしよう、と言ってくれているので、その言葉を信じて、同門ならではのバチバチした戦いがしたいな。ヒール同士なんで、セコンド介入させて、凶器使い放題? なんてのもあるかもしれないけれど、どんな試合になるかは当日にならないとわからない」
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渡辺は上谷にとって、単なる“いち挑戦者”ではない。
「この試合が決まってから、自分たちが想像している以上にお客さんがすごい期待感を示してくれている。桃はデビュー戦の相手。クイーンズクエストも一緒にやっていた。白いベルトも戦ったし、今は同じH.A.T.E.にいる。切っても切れない不思議な縁だな。そんな私たちの戦いを会場に見にきてほしいよ。東京ドームに赤いベルトを連れていきたいという気持ちはある。大田区でも桃との試合を乗り越えて、年末の両国。沙弥様は歩みを止めない」
上谷人気はうなぎのぼりだ。その勢いでさらなる野望を口にしている。
「東京ドームでスターダムの興行をして、メインでタイトルマッチやって、勝ち名乗りを上げたい。出演していたテレビ(TBS『ラヴィット!』)で地上波23年ぶりのプロレス生中継ができた。東京ドームは胸の中にひそめていたけど、それまで言葉にすることができなかった。今年の初めから、たくさんの人にプロレスを見てもらいたいと言い続けてきて、結果的に現実に何十万人の人々に見てもらえた。よし、東京ドームで興行がしたい、と。今の自分には発言権がある。翌日のAZMとの2冠戦で口にしたんだけれど……」


