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広島追撃、そしてCS初出場へ――。
DeNA梶谷隆幸の打棒に火はつくか。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/07/13 07:30
2014年には盗塁王を獲得した梶谷が出塁すれば、DeNAの攻撃に分厚さが増すだけに完全復調に期待がかかる。
「悪いことばかり続くことはない。自然と良くなる」
この日、乱打戦となった試合には7-10で敗れたものの、梶谷は適時二塁打を含む2安打を放ち、復調ぶりをアピールした。
「自分でも良かった時の映像を見返したりしましたし、坪井さん(智哉・打撃コーチ)にも、右肩が入りすぎるとバットを横に振っちゃうことになるから、右肩はあんまり動かさないようにしようって言われて。(右肩を止めて)バットを前に出すイメージ、下から掃き出すような感じで振るようにしています。悪いことばかり続くことはない、いずれ自然と良くなっていくと思いながらやってきました」
夏は好き? 最後にそう尋ねると、苦笑いを浮かべて言った。
「いやあ、暑いっすよ! でも、このまま状態が維持できたらいいですね」
試合に負けて満面の笑みとはいかずとも、内なる充実感がしかと伝わる苦笑いだった。
まもなくシーズンは後半戦に突入する。ここまで踏ん張り続けてきた投手陣にほころびが見えてきたDeNAとしては、独走する首位広島を追撃するため、打線でしっかりと援護していくことが必要不可欠だ。
貫禄すら漂わせる筒香に加え、桑原将志や宮﨑敏郎、倉本といった若手が芽を出し、助っ人のロペスとエリアンも調子は上向いている。悲願の優勝、最低でも初のCS出場権を勝ち取るために――ラストピースだった梶谷が復活したDeNAは、勝負の後半戦、どんな戦いを見せるだろうか。