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地元記者が選ぶ地方大会名勝負。
1998年秋田大会決勝、10点差から……。
posted2016/07/05 11:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Asahi Shimbun
今年も高校野球の夏がやってきた。
すでに先月、沖縄と北海道では地方大会が開幕しているが、今週末から来週にかけて甲子園出場をかけた熱戦が全国的に始まり、球児たちの季節が本格化していく。
地方大会開幕を特集したNumber905号「甲子園を夢みる夏。」では、全47都道府県の地元メディアの方々に選んでもらった「ふるさと名勝負49」を掲載している。地方大会を特集するにあたって、本誌史上初の試みでもあるこの企画が編集部として最も取り組んでみたいものだった。
というのも、こんな話を聞いたことがあったからだ。
「高校野球の監督がいちばんつらいのは、決勝戦で負けた後の閉会式。頭のなかには、早くこの場から去りたいという思いしかない」
高校野球の魅力が詰まっている地方大会。
もちろん甲子園での敗戦も悔しいはずだ。しかし、あと一歩のところで聖地への切符を逃した悲運にくらべれば――。
そんな地方大会には、きっと地元で長く語り継がれている名勝負があるはずだ。たったひとつの敗北で終わってしまう球児たちの夏。残酷ではあるが、そこに高校野球の魅力が詰まっているのではないだろうか。
北海道は南北、東京は東西にわかれて大会が開かれるため、47都道府県の地方大会から厳選された「49の名勝負」。その中から今回は、秋田魁新報の伊藤寛明さん(高校野球担当デスク)が選んだ、1998年秋田大会の決勝を紹介しよう。