Number ExBACK NUMBER
地元記者が選ぶ地方大会名勝負。
1998年秋田大会決勝、10点差から……。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byAsahi Shimbun
posted2016/07/05 11:00
秋田県立金足農業高校は野球の特待生を取らない学校だが、2016年現在まで、春3回、夏5回出場している。
本来であればコールドゲームのはずだが……。
1998年 秋田大会 決勝
金足農 0 2 4 0 0 0 2 4 5|17
秋田商 0 0 1 3 12 0 0 0 0|16
〈 特待生を取らない「雑草軍団」金足農が、名門・秋田商を大逆転で下した。
金足農はひじに故障を抱える秋田商のエース伊藤大悟をとらえて序盤から6点をリード。しかし5回、秋田商に打者16人、8連続安打の猛攻を受けて逆に10点のリードを許してしまう。前年の決勝は秋田商に2対17と大敗を喫しており、その悪夢も金足農ナインの頭をよぎった。
5回終了時点で10点差。本来であればコールドゲームのはずだが、コールドが適用されない決勝戦だったことが金足農に幸いした。
7回に2点を加えると、8回には満塁からランニング本塁打が飛び出して4点差に。9回も2死三塁から3安打に敵失と四球を絡めて大逆転を果たす。秋田商も9回裏に2死一、三塁と意地を見せたが、最後の打者が三ゴロに倒れてゲームセット。
金足農18安打、秋田商21安打の壮絶な打撃戦。県民の誰に聞いても、「ベストゲーム」にはこの試合が挙がるのではないでしょうか。〉
地元のみならず全国的にも有名な名勝負だが、このほかにも48試合のストーリーがNumber905号には掲載されている。白熱した投手戦、逆転につぐ逆転の延長戦など、高校野球の面白さと醍醐味が凝縮された勝負の数々を、是非ともお読みください。