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「東京五輪でメダル」は絵空事か。
男子バレーの強化が今夏もなし!?
posted2016/07/01 11:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
AFLO
バレーボール女子日本代表のリオデジャネイロ五輪メンバーが発表され、オリンピックムードが高まってきた。
しかし一方、女子の盛り上がりの裏で、全日本男子の強化がほったらかしにされようとしている。
全日本男子は、先のリオ五輪世界最終予選で五輪切符を逃した。その結果は変えられない。こうなったからには、一刻も早く4年後に向けたスタートを切り、リオ五輪に行けなかった時間を、次の東京五輪のために有効に使わなければならない。
ところが、全日本男子チームは、現在行われているワールドリーグが終われば解散し、今夏はシニア代表として何の強化もしないというから信じられない。
全日本の南部正司監督は、ワールドリーグのあとも合宿や海外遠征を行って強化を続けることを打診したが、日本バレーボール協会がそれに応じなかったという。
小田勝美男子強化委員長は辞意を表明しており、次の強化委員長は決まっていない。次期監督についてもこれからの協議になるため、男子の強化の舵を取るリーダーが不在になるからというのが理由のようだ。
それならば、暫定的であっても急ぎ新たな強化委員長を選ぶなど、いくらでもやり方はあるはずだ。そもそも、リオ五輪に出場できた場合と、出場できなかった場合、その両方の強化プランをあらかじめ準備しておくべきだろう。
4年前も、五輪予選直後の大会で強化がストップ。
ワールドリーグでは筑波大4年の高橋健太郎が初めて先発出場したり、東レの星野秀知、渡辺俊介、東海大3年の小野寺太志が代表デビューを果たしたが、海外チームとの実戦経験を積むべき選手はいくらでもいる。しかし彼らが今年日本代表として海外と戦うチャンスは、ワールドリーグを最後にもうなくなってしまう。現在行われている予選ラウンドで敗退すれば、7月3日で今年の全日本活動が終了してしまうのだ。
4年前にも、日本はまったく同じ過ちをおかしている。男子は前回のロンドン五輪世界最終予選でも五輪出場権を逃した。その直後に五輪最終予選とほぼ同じメンバーでワールドリーグを戦ったあと解散し、その夏の強化をストップしてしまった。