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イチローの2016シーズン序盤戦。
最も印象的な「あの日」のこと。 

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photograph byNaoya Sanuki

posted2016/06/02 11:30

イチローの2016シーズン序盤戦。最も印象的な「あの日」のこと。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

現地時間5月31日現在、メジャー通算安打数は2963。歴代最多安打記録4256本まであと15本。その強肩も健在だ。

この日の1試合4安打は現役最多の52度目!

 誰もが興奮するような出来事が起きたゲームが終わり、取材、データ整理などすべての仕事を終えてスタジアムを出たのは深夜0時過ぎ。軽食をとろうと深夜営業のキューバ料理店に出向き、モヒートでこの日のイチローのプレーに乾杯し、興奮の1日を振り返った。

 それでも、小西さんは冷静だった。

 これまで2500試合以上イチローの出場試合を取材してきたその圧倒的な蓄積が、小西さんの記者としてのスタンス、矜持の源泉にある。今日の1試合4安打は、なんと現役最多の52度目の出来事(2日後の5/23に53度目を達成)。

 そう、当然といえば当然なのだが、イチローはそういう打者なのである。

「4000安打には、8000回以上悔しい思い」

 もちろん、いい日ばかりではない。3日間で10安打を放ったあと、しばらくは結果が出なかった。

「4000安打には、僕の場合、8000回以上悔しい思いをしている。その悔しさと常に、向き合ってきた事実は誇れると思いますね」

 日米通算4000本安打を放ったときの会見でのイチローの言葉が、まさにこの場面にも当てはまる。安打の喜びと、凡打の悔しさと本気で向き合ってきた。そのイチローを長年追いかけてきた小西さんもまた、その喜びと悔しさを、最も近い場所で共に感じつづけてきたはずだ。

 その小西さんに、今季これまでのイチローの最も印象的な場面は、と訊ねてみた。まさに今日、「4の4」の日という答えが返ってくるかもしれないな、と思いつつ。

 すると小西さんは、「やっぱりあの日だなあ……」と、こちらが予想もしなかったある日の出来事を、ゆっくりと語り始めた……。 

 「あの日」とは、一体いつのことなのか?
 小西さんが、イチローの今季のこれまでを象徴する「あの日」前後のことを描いたインサイドレポート「ルーティーンとプライド」は、Number903号「MLB2016 イチロー未踏の地へ。」に掲載されています。イチロー選手の大特集のほか、ダルビッシュ有の完璧なる復活登板、ルーキー前田健太の奮闘、永遠の野球少年・川崎宗則の独占インタビューと魂の人生相談など内容盛りだくさん。ぜひお読みください。
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