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盟主ヤンキースの低迷はジラルディ監督の采配にあり。~勝ちパターンの絶対視は田中ら先発への冷遇に?~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2016/06/04 08:00
オーナーのスタインブレナーは、ジラルディ監督を「よくやっている」と擁護するが……。
世界一27回の歴史を持つ盟主ヤンキースが、開幕以来、低空飛行を続けている。4月中盤、白星先行の時期があったものの、4月24日に地区の最下位に転落。5月3日には借金が最大「8」まで膨れあがる事態に追い込まれた。
低迷の理由は、単純ではない。昨季こそ地区2位に食い込み、ワイルドカード・ゲームにコマを進めたものの、A・ロドリゲス、カルロス・ベルトランら40歳前後の高額年俸のベテラン野手を抱え、世代交代は急務だった。だが、昨オフは積極的な補強を行わず、レギュラー陣はほぼ現有戦力のまま。本塁打依存の戦術に工夫はなく、慢性的な得点力不足は解消されていない。リーグ11位のチーム打率2割4分(5月21日時点)をはじめ、主要打撃部門の成績は下位に定着。田中将大をはじめ、先発投手陣も足並みが揃わず、4月下旬から宿敵レッドソックスに敵地で3連敗を喫するなど、チーム全体が重苦しい空気に包まれた。