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有村智恵、3年半ぶりに日本復帰へ。
熊本で被災してから、1カ月間の心。 

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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photograph byShizuka Minami

posted2016/05/24 10:45

有村智恵、3年半ぶりに日本復帰へ。熊本で被災してから、1カ月間の心。<Number Web> photograph by Shizuka Minami

震災後の大会で予選落ちした時、「地震の影響とかではなく自分自身の責任です」と言い切った。被災はしたが、アスリートとしての心は全く衰えてはいない。

今季も当然のように米ツアーでやるつもりだった。

 復帰するといっても、有村には日本ツアーの出場権がない。理想は、推薦で出場できる大会で結果を残し、来季の日本ツアーのシード権を獲得することだ。

 でも、もしシード権が取れなかったら――。

 日米どちらのQT(シード権の獲得がかかる大会)を受けるのか、まだ答えは出ていない。

 そもそも有村は、来年の米女子ツアーで活躍することを見据えて、今季はスイングの変更に取り組んでいた。世界の一流選手に共通する動きと自身のスイングに違いがあることに気づいたからだ。震災が起こったのは、まだ試行錯誤し始めたばかりの頃だったのだ。

 当然だが、プレーに迷いがあって勝てるほどプロスポーツの世界は甘くない。結果を求めて以前のスイングに戻すのか、何を目指して戦うのか……こちらも、まだ明確な答えは出ていなかった。

 何しろシーズン半ばで急に帰国するとは、本人自身が一番考えていなかったのだ。

 しかし、有村は「超」がつくほど負けず嫌いのアスリートでもある。国内復帰するということで心が決まった以上、なんとしてでも国内で……という闘争心に結局火が点くこととなる。

米ツアーで“やりきった”のか?

 米ツアー3年半の在籍で、通算トップ10入り3回。

 最高成績は、2013年のショップライトLPGAクラシックの5位タイ。日本とは異なる米ツアーの芝や環境に苦戦し、思うように結果が残せずシード落ちし、昨年から下部ツアーを主戦の場としていた。

 果たして、アメリカで“やりきった”という思いはあるのだろうか?

「あるといえばあるし、ないといえばないです。生活面に関しては、ここ2年近く、ずっと1人で転戦を続けたので、ある程度のことは経験できたかなと。ない部分は“結果”を残せてないこと」

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