球道雑記BACK NUMBER
復帰のナバーロ、数字以上の存在感。
ロッテに足りなかった「あと一本」を。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/05/06 10:30
復帰戦となった4月23日のロッテvs.オリックス戦、8回裏に2点タイムリーで早速の貢献。以降、毎試合連続で安打を重ねた。
開幕ダッシュ成功のチームで蚊帳の外に……。
この間、ナバーロは試合前の練習のみ一軍のメンバーと合流して調整を続けてきた。
ナバーロのいない間にアピールを続けようと細谷圭、中村奨吾、高濱卓也、井上晴哉ら中堅、若手ら数人がしのぎを削った。
その彼らの活躍もあって、チームは開幕ダッシュに成功。その後も好調を持続し、現在も前年度王者の福岡ソフトバンクと首位を並走する状態が続いている。
しかし、ナバーロはそんなチームの中で一人、蚊帳の外にいる。そんな気持ちになっていた。
復帰の日の朝、彼は大勢の報道陣に囲まれると一日でも早く好調のチームの輪に加わりたかったと想いを口にした。
それは、復帰後のプレーの中からも十分感じ取れる。
数字以上の存在感を植え付けている。
初出場を果たした4月23日の対オリックス戦からナバーロはセンターから右方向へのチームバッティングに徹している。期待された一発こそまだ出ないものの8試合連続安打も記録。
出場した10試合の打撃成績は33打数9安打、打率.273、10打点。ほぼ1試合1安打1打点ペースをここまで保っている(5月5日現在。以下同様)。
相手チームに数字以上の存在感を植え付けているのも、ここまで出場した全試合で9つの四球数を選んでいることからも明白だ。相手チームがナバーロ対策に四苦八苦しているのが数字にも出ている。
現在の出塁率は.409で、ときにチャンスメーカーとして、ときにポイントゲッターとしてその両面を担っている。
オリックス・西勇輝は、対戦した4月24日の試合後にこう振り返った。
「(ナバーロは)今回はまだ対戦経験がなかったので、無難な攻め方しかできなかったんですけど、対戦経験を積んでいけば、範囲だとか、どこが良いとか、悪いとかも出てくると思いますし、そういう意味で今は探り探りの状態です。ここから色々とチームで研究をしながら、今後はやっていくと思います」