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ドラフト候補に150km投手が26人!
それでも田中正義の12球団指名は?
posted2016/04/16 11:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
NIKKAN SPORTS
今年のドラフト最大の注目選手は創価大の本格派右腕、田中正義だ。大学生投手としては上原浩治(大阪体育大→1998年巨人1位、現在はレッドソックス)以来の大物と言ってもいい。
ストレートの最速は156キロで、これは昨年のパ・リーグの新人王、有原航平(日本ハム)の早稲田大時代と同じだが、たとえば有原に大谷翔平(日本ハム)と同じようなストレートで押すスタイルは求めにくい。実際、プロ入り前の有原に「ストレートで大谷と張り合う気はない?」と聞くと「とんでもない」と一笑に付された。しかし田中のストレートには、大谷や藤浪晋太郎(阪神)と張り合えるだけの強さを感じる。
昨年はNPB選抜戦では、若手打者を次々と打ち取る。
体格もプロの世界に入っても見劣りしない186cm、89kgというビッグサイズ。昨年の6月29日に行われたNPB選抜戦では、大学日本代表チームの2番手として登板、4イニングを無安打、無走者に抑え、12人の打者から8個の三振を奪った。8奪三振の内訳は以下の通りだ。
武田健吾(オリックス)→152キロのストレートで見逃し
石川貢(西武退団)→138キロのフォークボールで空振り
岡本和真(巨人)→149キロのストレートで空振り
谷内亮太(ヤクルト)→133キロのスライダーで見逃し
清水優心(日本ハム)→152キロのストレートで見逃し
大嶺翔太(ロッテ)→149キロのストレートで空振り
岸里亮佑(日本ハム)→149キロのストレートで空振り
武田健吾→108キロのカーブで見逃し
前途を期待されている若手打者をまるで寄せつけない快刀乱麻ぶりで、代わりっ端の武田と石川の三振は3球勝負で退けた。ちなみに三振に取った武田、石川、岡本、谷内は田中が登板する前の第1打席でヒットを打ち、大嶺は第1、2打席でヒットを打っている。そういう、バットが振れている選手を寄せつけなかったのだ。この田中にプロ12球団が1位で入札するのでは、と報じるニュースが少し前に出た。