詳説日本野球研究BACK NUMBER
ドラフト候補に150km投手が26人!
それでも田中正義の12球団指名は?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/04/16 11:00
この時期に、ここまで「一強」感が漂うドラフトは久々。史上最高の9球団、そしてまさかの12球団指名はあるか。
野茂英雄の8球団を超える回数名前を呼ばれるか。
この中で田中とともに1位候補と目されているのは生田目、山岡、濱口、丸山、佐々木、黒木、高田、山本たちで、さらに名前が挙がっていない柳裕也(明治大・右右・180/80)、高良一輝(九州産業大・右右・177/77)、酒居知史(大阪ガス・右右・179/80)、土肥星也(大阪ガス・左左・184/70)、寺島成輝(履正社・左左・180/82)、山崎颯一郎(敦賀気比・右右・188/85)も1位候補と言っていい。
150キロ超えが26人揃い、田中以外の1位候補も投手だけでずらりと揃っている状況をどう読み解くかだが、スカウトなどのフロントは「これだけ有力選手が揃っているなら、12分の1を覚悟しなければいけないが、田中に向かっていこうか」という心理状態になるのではないか。冒頭で紹介した中尾・阪神スカウトの「行かなきゃしょうがないでしょ」という気分だ。
これまでのドラフトで1位入札が最も多かったのは、1989年の野茂英雄(新日鉄堺→近鉄)と1990年の小池秀郎(亜細亜大→ロッテ拒否)の8球団。今年のドラフトではこれを上回る1位入札が1人の選手に集中するかもしれない。ひょっとしたら「田中正義」の名前が12回読み上げられるかも。