松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
スコアと手応えはいつだって違う?
松山英樹、マスターズ初日の内実。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2016/04/08 11:30
自ら「悪くはない」という5打差につけた松山英樹。走ると強いスピースを掴まえることはできるだろうか。
珍しく考え込み、「うーん、どうしましょうねぇ」。
1アンダー、71で13位。首位発進したスピースとは5打差がついた初日。
「可能性をつぶさなくて良かった」
そう、まだつぶれてなどいない。まだ初日。あと3日、まだ希望はある。
雨は降らなさそうだが、風はさらに強まる予報が出ている2日目からの3日間。どう挑んでいくつもりなのか。珍しく松山が答えに窮し、考え込んだ。
「うーん、どうしましょうねえ」
数秒の間を置いて、彼はやっぱりいつもの結論に至った。「自分ができることをやる」という、いつもの結論。奇策など無い。
「まず自分のショットをうまく修正できれば、風にも対応できると思う。そこが大事かな」
ホールアウト後、1時間以上練習に精を出していた松山は、キャディやトレーナーと時おり言葉を交わしながら、もう、いつもの笑顔をたたえていた。
その笑顔とともに、いつものキレッキレのショットの感触も取り戻したと信じたい。