フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ウイアーが語る羽生結弦の強さの秘密。
世界フィギュアでの王座奪還なるか?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2016/03/28 17:30
すでにボストン入りしている羽生結弦。大会に臨む体調も万全とのコメントを出している。
「ぼくは最有力候補ではない」とチャン。
パトリック・チャンは3月21日に行われた電話共同記者会見で、世界選手権に向けての気持ちなどを語った。前回出場した世界選手権(2013年)に比べての心境の違いについて質問されると、
「今のぼくは、最有力優勝候補ではありません」と口にした。
「今回はぼくは、技術的にアンダードッグ(下から挑戦する立場)として挑む。今のトップの選手たちはSP、フリー合計5度の4回転を入れています。ぼくは3度しかやらない。3度の4回転では足りない時代が来るなんて、誰が予想したでしょう」と、ちょっと苦笑いをするように、言葉を切った。
だがカナダ選手権のホームグランドで自信を取り戻し、四大陸のフリーでは良い滑りができたことで、徐々に調子を整えてきているという。
「次の五輪までやる価値があるかどうか、それは今回の世界選手権後に改めて考えることになると思う」と言葉を結んだ。
苦戦を強いられる米国男子。
一方、米国NBCテレビのコメンテーターを務めるジョニー・ウイアーとタラ・リピンスキーも3月23日に、電話記者会見を行った。
全米チャンピオンであるアダム・リッポンの優れた表現力などを絶賛した上で、現実的なメダルの可能性について聞かれると、ウイアーはこう答えた。
「もしもトップ選手たち全員がノーミスで滑ったとしたら、今回の米国男子たちはトップ10に食い込むのが精一杯でしょう。残念ですが、それが現実です」
アメリカの男子が世界の表彰台に上がったのは、2009年のエヴァン・ライサチェックが優勝したのが最後である。
地元開催とはいえ、アメリカ男子にとっては厳しい大会になるだろう。