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柏木陽介を広州恒大がリスペクト?
徹底マークに「喜べばよかったな」。
text by
轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada
photograph byAFLO
posted2016/03/24 08:00
マークマンとしては世界有数の守備力を誇るパウリーニョ。彼をかわせれば、世界は一気に近づくはずだ。
相手が引いている時に、かわしきる力。
しかし、後悔ばかりが残ったわけではなかった。そのマッチアップをとおして、自分が何を課題としていけばいいのか、その道筋が少しつかめたような思いもあるという。
「相手が引いている時に、相手の間で受けて、その時にどんなプレッシャーがくるのか。そこでかわしきれる力を自分がつけたら、もっと世界で戦える選手になると思う。ああいう選手たちと試合をしていくことが自分のレベルアップにつながるなって。チャンピオンズリーグでもバイエルンとかバルセロナまでいくとちょっと異次元だけど、ああいう中でやっていると近づけるってことはあると思う。Jリーグも大事にして、日本代表でも戦っていきながら自分のレベルを上げたい」
日本代表に「定着では意味がない」。
柏木は、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督から今月24日と29日に行なわれるワールドカップアジア2次予選のゲームに招集されている。昨年10月の国際親善試合イラン戦で約3年半ぶりに日本代表に招集されると、途中出場してボランチで持ち味を発揮した。
ハリルホジッチ監督がメンバー発表の記者会見で柏木を高く評価するコメントを発していることや、イラン戦以降で継続的にメンバー入りを果たしていることから、周囲からは「代表に定着している」という目で見られることもあるという。だが、本人はそれを真っ向から否定する。
「定着なんて思ってないし、今のプレーに満足はしてない。ここから自分の良さを出して、分かってもらうことができれば、少しずつ残っていけるのかな」
そしてさらに、「定着では意味がない」と強調した。
「ギリギリのラインで代表に残っている選手だと思うだけに、試合に出たら結果を出す、出るための良い準備をするということを心掛ける。試合の状況は違うし、選手も違うけど、違った意味で代表のことを楽しみたい。良い刺激を海外組からもらって、その中でも自分がゲームを作るという気持ちでやっていきたい。自信を持って、よりコミュニケーションを取ってやっていけたらいい。ハリルさんに褒められているとは思ってないし、個人的に話して褒められたこともない。何試合も出させてもらって、初めて認められたということになるけど、まだそこに達していないから」